相変わらず、週に何回かは、勾留中の被疑者に面会するために、どこかの警察署に立ち寄ってから帰宅する日々が続いています。
逮捕されると、まず、48時間は警察に身柄が拘束されます。この間に、いわゆる初動捜査を終え、検察庁に身柄が送致(いわゆる送検)されることとなります。
何事も第一印象が大事という話ではないですが、逮捕された直後に何を言っていたか、最初に被疑者を取り調べた時にどうであったか、というのは、後の裁判においても重視されます。ころころと言い分が変わるのは信用ならないという固定観念もあります。
したがって、送検の段階までに、検察官に対してどのような説明(弁解)をするのかを意識しつつ、被疑者の言い分を整理しておくことは、極めて重要です。
検察官は被疑者を取り調べた上で、勾留の必要性が認められる場合は、送致後24時間以内に、裁判所に勾留を請求します。
検察官が請求した勾留を裁判官が認める割合は、99パーセントを超えると言われています。
それでも、弁護人としては、この段階で、勾留請求をさせないよう、力を尽くします。検察官に面談し、勾留請求をしないよう求めたり、意見書を提出することもあります。
このような取り組みの結果、検察官が勾留請求を断念することは、むしろ珍しいと言えるかも知れません。
しかし、それでも、早い段階で、被疑者に接見して被疑事実の概要を把握し、また、ご家族と連絡を取るなどして被疑者の生活状況を知っておくことにより、実際に勾留が請求された場合の対策を考えることができるのは、たいへん重要なことです。
(この項、さらに続きます。)